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【データ活用基盤】データ収集から活用までの流れと蓄積・加工のポイントについて
Overview
昨今のビジネスではデータ活用による迅速な判断が成功の鍵を握ると言われています。そして、世の中に蓄積されているデータのおよそ90%が非構造化データまたは半構造化データといわれる、構造化されていないデータです。
しかし、データウェアハウスなどでは、この非構造化データを格納することができません。一方、データレイクはあらゆるソースから、生(未処理)のデータを格納することができ、データを取り出すときにのみ構造化が行われます。
本コンテンツでは、この、非構造化データを含め、データを一元で格納し、すばやく処理するデータレイクについて導入のメリットや構築運用の流れと活用ケースを解説していきます。
データレイクとは、非構造化データから構造化データまでのあらゆる種類のデータを一元的に保存し、後から必要に応じて利用できるように設計されたデータストレージのことです。
データをそのままの形で保存できるため、大量のデータを整理する必要なく効率よく、かつ素早く蓄積することが可能です。環境の変化によりビジネスニーズが変わった場合でも、データレイクに保存されたデータはその新しいニーズに応じて加工・分析できます。
さらにデータレイクは、ダッシュボードや可視化ツールの提供、ビッグデータ処理、リアルタイム分析、機械学習など、多様なタイプの分析ツールに連携できるように設計されています。これにより、組織はデータを戦略的に活用し、より的確な意思決定を行うための洞察を得ることが可能になります。
先に述べた通り、昨今のビジネスでは、リアルタイムの情報をもとに迅速な判断を下すことが企業の成長の鍵となっています。その中でデータレイクは、従来のデータウェアハウスが扱いにくい非構造化データや大量のデータを効率的に素早く処理・分析できる新たなソリューションとして注目を集めています。データレイクを導入した企業の売上は同業他社と比較すると約9%高いという調査報告もあり、経営に役立つ有用なデータを分析活用することで情報に基づいた意思決定とビジネスの成長を促します。
データをそのまま格納できる: データレイクは、様々な形式のデータを一箇所で一元管理できるため、データ管理・参照の際の手間を簡素化することができます。これにより、データの整合性が保たれ、分析が容易になります。また、決まった形式にデータを統一する必要がないということは、部門ごとに異なる形式のデータを扱っている場合でもスムーズに全社での共有を可能にします。
コスト削減: 一元管理により、大量のデータを低コストで保存できます。
データ連携の柔軟性の高さ: ビッグデータの処理もリアルタイムで行え、迅速な意思決定をサポートします。
データレイクの構築と運用を効果的に進めるためには、以下の要点を考慮する必要があります。
1.データカタログの作成
データの管理や活用にはどのデータがどこに格納されているのかというメタデータ情報が非常に重要です。データカタログを作成することでデータの概要や位置、データ間の関連性などを一目で確認できるようになります。
2.高性能なサーバの導入
大量のデータを迅速に処理・分析するためには高性能なサーバが必要となります。データの収集、保存、取り出し速度を保つため、適切なハードウェアの選定と最適化が重要です。
3.定期的なデータクレンジング
データレイクに保存されるデータは、経年により質が低下する可能性があります。重複データや誤ったデータなどの不要なデータを定期的にクレンジングすることで、その品質を維持し、分析の精度を高めることができます。
これらの要点をしっかりと押さえることで、データレイクの効果的な構築・運用が可能となります。
データレイクは、その柔軟性とスケーラビリティにより、様々な業界でのデータ活用を進化させています。以下に業界別ユースケースを紹介します。
1.製造業
製造業では、センサーデータや機械の動作ログなど、大量のデータが日々生成されます。データレイクはこのデータの集約と分析に革命をもたらしています。
[ユースケース]
生産効率の最大化: リアルタイムのデータ分析により、生産ラインの最適化やボトルネックの特定が可能に。
品質保証: 過去のデータと現在のデータを比較し、品質の低下を予測・予防。
2. 医療
データの一元管理は医療の質と効率性の向上に寄与しています。患者情報や診断データなどがデータレイク内で一元化され、医師や看護師の業務効率が飛躍的に向上しています。
[ユースケース]
効率的な患者管理: 患者の全情報への即時アクセスによる迅速な診断・治療。
診断サポート: AIを用いた早期発見や診断の精度向上。
3. 金融
金融機関は顧客のデータや市場の動向データなどを持っています。データレイクを通じて、これらの情報の高速分析や新しい金融サービスの開発が行われています。
[ユースケース]
顧客洞察の深化: 個別の顧客ニーズを理解し、カスタマイズされたサービス提供。
強化されたリスク管理: 取引履歴や信用情報を基にしたリスク予測と管理。
取り扱いの難しい非構造化データを、空気を吸うように当たり前に活用できることを目指して開発した『AirLake』は、データの収集・加工・蓄積を通じて、効率的な情報検索やナレッジ活用など、データから新たな洞察を得られる環境を提供します。
抱えている課題
社内で数多くの論文やドキュメントをpdf形式やword形式で保有しているが、一元管理できていない。論文・ドキュメントを探す際にファイル名で当たりをつけてからその中身までを確認しないと見つけられず、時間を要する。そのため、情報を探し出すには多くの関係者とコミュニケーションを交わさなければならないこともある。
活用法
『AirLake』に全ての論文とドキュメントファイルをインポート。情報探索型のテンプレートを利用し、自動的にファイルを分析してメタデータを付与し、活用できる形式に変換してから蓄積する。
効果
情報を探し出しやすくなり、業務効率が飛躍的に向上。他部門とのコミュニケーションも不要となり、全社的な作業工数の削減が実現。
データの種類
論文データ、ドキュメントデータ
抱えている課題
ー 営業の受注確率を向上させるために営業担当者の会話スキルを可視化し、適切なアドバイスを若手育成に活かしたい。
ー コールセンター業務で適切なクレーム対応ができず顧客満足度を下げてしまう課題を解決したい。
ー 蓄積した音声データの中から欲しいデータを検索する時間を短縮したい。
活用法
『AirLake』でテンプレートを利用して音声データを構造化し、可視化・検索できるようにする。また、機械学習により音声データの特徴を読み取ることで、話し手の感情を分析し活用する。
効果
個々の感覚や経験で取り組んでいた業務が客観的な数字として可視化できるようになり、適切なアドバイスや対応が可能になった。
データの種類
音声データ、動画データ
抱えている課題
ー 新築マンション等の図面作成には平面図の制作、住居プランの作成など多くの工程を挟むため非常に多くの期間と、同プラン作成には非常に多くの過去図面を参考にする必要があり、図面準備と経験値が必要。
ー 過去の平図面やレイアウト図を集約・構造化、属人化される経験や判断をナレッジ化したい
ー マンション計画の最適なプランニングなど、ベテラン社員に属人化し、若手社員に継承されづらい
活用法
『AirLake』でテンプレートを利用して紙やPDFで散在している図面を集約、データの構造化を行い、過去設計したPDF図面の蓄積と類似判定を行う
効果
設計期間の短縮によるコスト/工数削減とナレッジ(経験値)の蓄積と社内共有が可能に。業務効率があがることで新規ビジネスや本来注力すべき業務への集中できるなった
データの種類
図面データ(紙/PDFなど)
散らばりがちなデータを一元管理し、その分析によりビジネス成功へ活用することのできるデータレイク。一方で、無差別にデータを保管してしまうと、その品質が低下し、分析の精度が十分に出ない可能性があります。導入済みの社内ツールとの連携を考えながら構築することで、効率的に運用していきましょう。
DATAFLUCTでは、構造化データを誰でも簡単に使えるデータに変換できるクラウド型データプラットフォームの「AirLake」、自動需要予測・サプライチェーンマネジメントの「Perswell」を展開しております。データの蓄積や分析・活用を社内で推進されたい際にはぜひご活用ください。
データ分析・活用に関することはもちろんですが、DX推進でお困りのことがございましたら弊社までお気軽にご相談ください。
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